平成15年の支援費制度の施行により、多くの障がいのある方々がホームヘルプサービス、ガイドヘルプサービスを利用できるようになりました。そうした中「いんくる」は、障がいのある児童や成人の方のヘルパー事業所として、平成17年4月にスタートしました。
 ヘルプサービスを利用することで、家族以外の人と食事や入浴ができたり、本人のペースに合わせた外出ができたり、障がいのある方々やその家族の思いを大事にした暮らしが、少しずつできるようになってきました。 ヘルパーの仕事を通して、幅広い年代の様々な障がいのある方と、そのご家族に出会いました。そして、それぞれの暮らしに関わる中で、「もっとこんなことができたらいいな」と思うことがでてきました。

自宅以外で安心して泊まれるところがあったら

家族の都合等により、利用者さんが家庭で過ごせないことがありました。短期入所という制度がありますが、家から遠い施設への入所になり、普段通っている学校や通所施設に通えなくなることがありました。また慣れない支援者や場所に、利用者さんが不安になることもありました。
「普段の生活とあまり変わらない環境で、安心して宿泊できたら」。平成19年、4DKの一軒家で短期入所を始めました。
最初は落ち着かなくウロウロしたり、すぐに玄関へ行き靴を履いて帰ろうとしたりする方もいました。なかなか建物の中に入れない方もいました。人によってペースは違いますが、「泊まる」ということが分かってくると、自分の好きなことをして過ごしたり、ご飯を作るのを手伝ってくれたり、のんびりしたり、ぐっすり寝ることができるようになってきました。
これからも、誰もが「また泊まりたい。」と思える場所にしていきたいと思っています。

学齢期の子どもたちが地域の中で楽しく遊べるところがあったら

特別支援学校の放課後は長く、多くの子どもたちが時間を持て余していました。夏休み等の長期休みはさらに大変な状況で、お母さんたちは子どもと過ごすことに毎日精一杯でした。そうした子どもたちとガイドヘルプサービスを通して関わってきました。一緒にバスや地下鉄に乗って出かけたり、買い物に行ったり、子どものペースで楽しく過ごすことができますが、ヘルパーとの外出だけではなく、もっと色々な過ごし方ができたらいいなと思うようになりました。
子どもたちの成長や卒業後の生活を考えたとき、「地域の中にも自分の居場所があり、友だちや地域の人たちと関われる場所があったら」。平成24年、放課後等デイサービスを始めました。
子どもたちはどことなくお互いを意識しながら、自分の居場所や過ごし方を上手に見つけていきます。また、近くのスーパーやコンビニへおやつを買いに行ったり、散歩を兼ねて区役所のリサイクルボックスまで資源ごみを持って行ったりしています。地域の方々との会話も少しずつ増えてきました。

「こんなことができたらいいな」

これからも、障がいのある方を中心にして、その家族、スタッフ、地域や関係機関の方々と一緒に考えながら進んでいくことを大切にしていきます。
その積み重ねが誰もが大切にされるやさしい街になると思います。